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カスタマーレビュー
おすすめ度:
刑事司法の歩みを知る一冊
(2006-09-29)
法曹(法律実務家)を目指す人にとって,訴訟法の判例百選は,自分を当事者や裁判官の立場に置いて読んでもらいたいテキストである。
そこには,捜査官がやってよいこと・悪いことの線引き,裁判官の判断指針,弁護人のとるべき戦略等々について,刑事司法に現れた実例が示されているのだから。
第8版となるこの一冊は,実務家による解説が増えたこともあり,最高裁判所の判例が示す射程距離について踏み込んだ解説が多く見られる点でも貴重な参考書である。
取り上げられた判例の示した準則が,前後の判例の中でどのように位置付けられるか。また,最高裁が示した規範が,その後の事例判決によって,どのように具体化されていったか。
こうした観点から判例を学ぼうと思ったら,この百選以上にまとまった書物は見あたらない。刑事訴訟法をマスターしようと思うなら,多くの教科書を読むよりも,一冊の教科書と本書を読み込むことをオススメします。
6年ぶりの改訂。
(2005-03-21)
前回の改訂は、1998年であった。この間、通信傍受法、司法制度改革に伴う種々の法改正など,刑事訴訟法は大きく変化している。それと微妙に関連しつつ、最高裁を中心として、判例もその間動いている。最近だと、最高裁での証拠排除肯定事例など、長年関心を集めてきた問題に、方向性を与えるようなものも少なくない。その意味で、今回の改訂までの6年間は、決して短い期間でなかった。
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そこには,捜査官がやってよいこと・悪いことの線引き,裁判官の判断指針,弁護人のとるべき戦略等々について,刑事司法に現れた実例が示されているのだから。
第8版となるこの一冊は,実務家による解説が増えたこともあり,最高裁判所の判例が示す射程距離について踏み込んだ解説が多く見られる点でも貴重な参考書である。
取り上げられた判例の示した準則が,前後の判例の中でどのように位置付けられるか。また,最高裁が示した規範が,その後の事例判決によって,どのように具体化されていったか。
こうした観点から判例を学ぼうと思ったら,この百選以上にまとまった書物は見あたらない。刑事訴訟法をマスターしようと思うなら,多くの教科書を読むよりも,一冊の教科書と本書を読み込むことをオススメします。
6年ぶりの改訂。
前回の改訂は、1998年であった。この間、通信傍受法、司法制度改革に伴う種々の法改正など,刑事訴訟法は大きく変化している。それと微妙に関連しつつ、最高裁を中心として、判例もその間動いている。最近だと、最高裁での証拠排除肯定事例など、長年関心を集めてきた問題に、方向性を与えるようなものも少なくない。その意味で、今回の改訂までの6年間は、決して短い期間でなかった。
今回の改訂では、井上氏が単独の編者となった。これまで編者であった松尾氏は、ひきつづき上訴についての解説を担当するが、編者ではなくなっている。それに伴い、編集方針も若干変更されたのかもしれない。裁判官を中心とした実務家の解説が増えている。判例の差し替えももちろんであるが、前版と同じ判例でも、解説者が全面的に入れ替えられている。第7版と解説者が変わらない判例はほとんどない。(もちろん、『刑事訴訟法の争点』や他の最近の百選と同様に横組み)。
ターゲットとなる読者層が変わったか。全体として、実務家の解説が増えたことで、よりアクチュアルな刑事手続が提示されようとしている。ロースクールでの教育を念頭においたであろうことも、うかがわれる作りになっている。その意味では変わったのかもしれない。しかし、別の側面からすれば、従来あった研究者による、焦点が定まらないために理解の難しい解説は減っている。たとえば、現行司法試験受験生にとっても、これはプラスなのではなかろうか。
どうせこの時期の改訂であれば、もう少し刑事訴訟法改正との関連が分かるようなものになっていて欲しかったが、これは判例集という性格上難しいのかもしれない。

