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アイテム詳細
カスタマーレビュー
おすすめ度:
出所後から現在の活躍に至るまで
(2008-12-24)
『続』にふさわしく、前作後の流れについて書かれた本書。
周囲の誰もから後ろ指を差されているような、陰鬱な感覚から抜け出すのには、元支援者の温かい声のみならず、『獄窓記』を出版し、再び社会から必要とされるまでのシチュエーションの変化が必要で、今も心のどこかに贖罪と後ろめたい気持ちは持っていると思われるが、小泉総理はじめ多くの議員がやっていた、秘書給与詐取事件で、スケープゴートとして獄中に繋がれた辻元氏は代議士に、著者も民間刑務所の運営アドバイザーやコメンテイターとして復帰することができて、良かったと思う。
前書はその意味でも、著者にとって分岐点となったわけだが、それは日本も刑務所行政においても、多くの一般人や福祉・法務省関係者に、所内では触法障がい者に無事に時を過ごさせるだけで、何ら社会的復帰に向けたプログラムが組まれていないどころか、刑務所こそが『福祉の最後の砦』となってしまっている現状を広く知らしめ、刑務官の暴行事件ともあいまって、受刑者処遇法の成立、著者も関わる障がいのある受刑者に障がい特性に対応した支援を行う「特化ユニット」を設けた、播磨・島根あさひ社会復帰促進センターなどのPFI刑務所設立に影響を与えたと想像に難くない。
刑務所には、オンブスパーソンはおろか、国会議員の目さえ届いてこなかった。
著者には、障がいを持つ受刑者のみならず、刑務所の可視化についても更に発言と行動を期待したい。
出獄後、生きがいを見出すまで…。
(2008-12-11)
本書は、ベストセラー「獄窓記」のその後を描いたものです。
刑務所を出た著者が、拘禁症状やコンプレックスに苛まれながらも、
その経験と、経験を通じて得た使命感をバネに、
逡巡や自戒を繰り返しながら前進していく様子をつづっています。
本書は様々な読み方が可能だと思います。
第一に、日本の矯正行政の疲弊と、
現場や著者の働きかけをきっかけとした最先端の動きのフォローとして。
刑事政策に興味のある法学部生などにぜひ読んでいただきたいです。
第二に、矯正の場に食い込んでしまっている福祉の貧困とでも言いましょうか…。
刑務所が福祉の最後の砦になっているという、
ここでも、我が国のどうしようもない福祉の実態が浮かび上がって、落胆させられます。
同時に、責任能力を安易に認める日本の刑事裁判も暗に批判されています。
全く同感です。マスコミもいい加減、タブー視しないでいただきたいです。
そして、第三に、どん底から這い上がろうとする著者の姿に感銘を受けます。
もちろん、著者はご家族や周囲のサポートにあまりにも恵まれており、
ご本人も十分な知性と卓見を持っておられます。
しかし、常に自分を見つめ直しながら、最も弱い立場の方々のために奔走する姿には、
ただただ頭が下がるし、自分もこのような清々しい生き方に共感を覚えます。
著者自身の生まれ変わりの遍歴
(2008-05-25)
これはまさに『獄窓記』その後である。
秘書給与詐取によって服役、塀の中の障害者たちについて前著『獄窓記』で広く世に問うた著者が、刑を終えた後にいかに現実に罪を犯した障害者の更生や刑務所の改革の活動に参与していったかを綴った書である。
出所直後から筆を起こしているのであるが、国会議員まで務め、自信に溢れる人物であったであろう著者でさえ、社会の目に恐怖を覚え、劣等感や恐怖を感じていることは驚きであった。それだけ前科者という烙印の威力は強いのだろう。そんな著者も家族や地域の人々、知人友人とのふれあいの中で社会参加への自信を取り戻し、刑務所で知り合った障害者を訪ねたり、福祉施設で働いたりといった生活の中から次第に著者が目指していた罪を犯した障害者の支援に携わるようになり、さらに活動は拡大し、厚生労働省を法務省を動かすことになっていく。
『獄窓記』や『累犯障害者』が罪を犯す障害者たちの存在を訴えたのとは風合いが異なり、この本では著者の心境の変化や様々な活動が主題となっている。前科者である著者の「生まれ変わり」を振り返る奮闘がこの書に結実したと言えるのではないだろうか。
余談になるが、本書でも四字熟語や漢語が目立つ。これは字数制限のある獄中生活で身につけた作文術ということだ。わざわざ述べていると言うことは著者が自覚しているという以上に読者の感想でも多く触れられていたのだろうかと邪推してしまう。
社会問題と人間物語、両側面が楽しめる本
(2008-05-01)
前作と比べると 著者の心理状況の描写がとてもよく描かれていて興味深かかった。
正直に赤裸々に綴られていて、等身大の山本さんが分かった。
国会議員をしていた人間でも、弱い部分もあることが分かり人間らしかった。
そして著者の中には、人間に対する深い愛が感じられた。
障害者であろうと犯罪者であろうと、社会資源として社会参加してよいなのだと感じた。
人権問題は難しくもあるがそれを正面から向き合う姿勢に好感が持てた。
刑務所に入る前と、入った中、そして出た後、色々改善が必要なことがわかった。
タブーを扱った分野だけに世の中の縮図が見える作品でした。
日本の社会の制度の観点から読んでも、人間 山本譲司の人間物語として読んでも楽しめる深い作品だと感じました。
あえてずれたことを書くよ
(2008-04-06)
ほかにレビュアーが言うように、よい本だと思う。刑務所の実態に目を向けさせただけではなく、ついにPFIとは刑務所運営にまで携わるようになったのは素晴らしいと思う。しかし、そもそもなぜ刑務所に自分がどこにいるのかもわからない障害者や車椅子の高齢者や認知症の人たちが入っているのか。刑務所運営や出所後の支援をあまり言い過ぎると、そもそもの福祉の欠陥が忘れられてしまうのではないか。山本譲司氏の活動は、あくまでセカンドベストであって、まずやるべきは福祉の充実、これにつきる。
おすすめ度:
出所後から現在の活躍に至るまで
『続』にふさわしく、前作後の流れについて書かれた本書。
周囲の誰もから後ろ指を差されているような、陰鬱な感覚から抜け出すのには、元支援者の温かい声のみならず、『獄窓記』を出版し、再び社会から必要とされるまでのシチュエーションの変化が必要で、今も心のどこかに贖罪と後ろめたい気持ちは持っていると思われるが、小泉総理はじめ多くの議員がやっていた、秘書給与詐取事件で、スケープゴートとして獄中に繋がれた辻元氏は代議士に、著者も民間刑務所の運営アドバイザーやコメンテイターとして復帰することができて、良かったと思う。
前書はその意味でも、著者にとって分岐点となったわけだが、それは日本も刑務所行政においても、多くの一般人や福祉・法務省関係者に、所内では触法障がい者に無事に時を過ごさせるだけで、何ら社会的復帰に向けたプログラムが組まれていないどころか、刑務所こそが『福祉の最後の砦』となってしまっている現状を広く知らしめ、刑務官の暴行事件ともあいまって、受刑者処遇法の成立、著者も関わる障がいのある受刑者に障がい特性に対応した支援を行う「特化ユニット」を設けた、播磨・島根あさひ社会復帰促進センターなどのPFI刑務所設立に影響を与えたと想像に難くない。
刑務所には、オンブスパーソンはおろか、国会議員の目さえ届いてこなかった。
著者には、障がいを持つ受刑者のみならず、刑務所の可視化についても更に発言と行動を期待したい。
出獄後、生きがいを見出すまで…。
本書は、ベストセラー「獄窓記」のその後を描いたものです。
刑務所を出た著者が、拘禁症状やコンプレックスに苛まれながらも、
その経験と、経験を通じて得た使命感をバネに、
逡巡や自戒を繰り返しながら前進していく様子をつづっています。
本書は様々な読み方が可能だと思います。
第一に、日本の矯正行政の疲弊と、
現場や著者の働きかけをきっかけとした最先端の動きのフォローとして。
刑事政策に興味のある法学部生などにぜひ読んでいただきたいです。
第二に、矯正の場に食い込んでしまっている福祉の貧困とでも言いましょうか…。
刑務所が福祉の最後の砦になっているという、
ここでも、我が国のどうしようもない福祉の実態が浮かび上がって、落胆させられます。
同時に、責任能力を安易に認める日本の刑事裁判も暗に批判されています。
全く同感です。マスコミもいい加減、タブー視しないでいただきたいです。
そして、第三に、どん底から這い上がろうとする著者の姿に感銘を受けます。
もちろん、著者はご家族や周囲のサポートにあまりにも恵まれており、
ご本人も十分な知性と卓見を持っておられます。
しかし、常に自分を見つめ直しながら、最も弱い立場の方々のために奔走する姿には、
ただただ頭が下がるし、自分もこのような清々しい生き方に共感を覚えます。
著者自身の生まれ変わりの遍歴
これはまさに『獄窓記』その後である。
秘書給与詐取によって服役、塀の中の障害者たちについて前著『獄窓記』で広く世に問うた著者が、刑を終えた後にいかに現実に罪を犯した障害者の更生や刑務所の改革の活動に参与していったかを綴った書である。
出所直後から筆を起こしているのであるが、国会議員まで務め、自信に溢れる人物であったであろう著者でさえ、社会の目に恐怖を覚え、劣等感や恐怖を感じていることは驚きであった。それだけ前科者という烙印の威力は強いのだろう。そんな著者も家族や地域の人々、知人友人とのふれあいの中で社会参加への自信を取り戻し、刑務所で知り合った障害者を訪ねたり、福祉施設で働いたりといった生活の中から次第に著者が目指していた罪を犯した障害者の支援に携わるようになり、さらに活動は拡大し、厚生労働省を法務省を動かすことになっていく。
『獄窓記』や『累犯障害者』が罪を犯す障害者たちの存在を訴えたのとは風合いが異なり、この本では著者の心境の変化や様々な活動が主題となっている。前科者である著者の「生まれ変わり」を振り返る奮闘がこの書に結実したと言えるのではないだろうか。
余談になるが、本書でも四字熟語や漢語が目立つ。これは字数制限のある獄中生活で身につけた作文術ということだ。わざわざ述べていると言うことは著者が自覚しているという以上に読者の感想でも多く触れられていたのだろうかと邪推してしまう。
社会問題と人間物語、両側面が楽しめる本
前作と比べると 著者の心理状況の描写がとてもよく描かれていて興味深かかった。
正直に赤裸々に綴られていて、等身大の山本さんが分かった。
国会議員をしていた人間でも、弱い部分もあることが分かり人間らしかった。
そして著者の中には、人間に対する深い愛が感じられた。
障害者であろうと犯罪者であろうと、社会資源として社会参加してよいなのだと感じた。
人権問題は難しくもあるがそれを正面から向き合う姿勢に好感が持てた。
刑務所に入る前と、入った中、そして出た後、色々改善が必要なことがわかった。
タブーを扱った分野だけに世の中の縮図が見える作品でした。
日本の社会の制度の観点から読んでも、人間 山本譲司の人間物語として読んでも楽しめる深い作品だと感じました。
あえてずれたことを書くよ
ほかにレビュアーが言うように、よい本だと思う。刑務所の実態に目を向けさせただけではなく、ついにPFIとは刑務所運営にまで携わるようになったのは素晴らしいと思う。しかし、そもそもなぜ刑務所に自分がどこにいるのかもわからない障害者や車椅子の高齢者や認知症の人たちが入っているのか。刑務所運営や出所後の支援をあまり言い過ぎると、そもそもの福祉の欠陥が忘れられてしまうのではないか。山本譲司氏の活動は、あくまでセカンドベストであって、まずやるべきは福祉の充実、これにつきる。

