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アイテム詳細
3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代 (ちくま新書)
城 繁幸
筑摩書房
グループ:Book /ランキング:8358
価格:¥ 756
発売日:2008-03 /通常24時間以内に発送
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カスタマーレビュー
おすすめ度:
「若者は為されるがままでいるな。わがままになれ」
(2008-11-21)
タイトルにもつけましたが、この本の一番に言いたい事は
「日本は若者の権利を否定する一方で、若者なしではやっていけない」
「労働者が適正な報酬を得られるシステムが必要」
「若者はわがままになれ」
だと思う。
多くのアウトサイダーの事例から、
現代日本の雇用・仕事について考察した本です。
終身雇用崩壊、
社会党・共産党の保守化、
若者の意識の変化、
日本の仕事観の特殊さ
世代間格差
など、多くの示唆に富む考察が展開されています。
現代日本の仕事を取り巻く多くの問題に気づきました。
もちろん各事例の話も興味深いです。
特に東大卒のお坊さんの話は面白かった。
仕事やそれを取り巻く環境に違和感を感じている人にオススメです。
多様性という平成的価値観
(2008-11-03)
終身雇用は既に崩壊した。
大企業に就職すれば一生安泰という考え方はもはや通用しない。
時代は大きく変わった。中高年層は遺産を活かして逃げ切ればよいが、これから社会に参入していく若者たちはどのように生きていけばよいのか。
本書ではしたたかに生きる若者たちが紹介されている。
本書を読んで思ったのは時代の変化に最も対応し切れていないのは従来型の企業であるということだ。つまりは中高年層、それもエリート中高年層の思考が強く反映される組織こそが旧来の価値観にしがみつき、新しい時代の若者の中でも優秀な層に見放されつつあるという事実だ。「最近の若者はバカになった」のではなく「バカな若者にしか相手にされなくなった」という視点の変換は強烈な印象を与える。
しかし、考えてみると大企業の終身雇用といっても出世競争に敗れれば出向もある、そもそも中小企業では終身雇用というもの自体が保証されていなかった。昔から職に定着しない若者はいたし、芸術や文学といった夢を求めて定職に就かずに自分の道に邁進する若者もいた。勿論、海外に活躍の場を求めて日本を出た若者もいた。現在、盛んに言われるような新しい若者は庄和の時代にも存在はしたのである。平成になって数が増えたのは事実だろうが平成になって新しく登場した人々というわけではないだろう。
大きな変化は画一性の昭和から多様性の平成へという時代の変化である。
高度成長期を過ぎ、同じ価値観で人々が生きる時代は終わった。これからはそれぞれがそれぞれの価値観で生き、共生する時代である。自分で道を切り開いていかなければならないため、おそらく多くの人間にとって平成は昭和ほど生きやすい時代ではないように思う。格差も拡大して行くであろう。それでも自分が自分らしくいきることのできる時代は幸福な時代ではないだろうか。我々は昭和の夢にまどろむのではなく、平成の現在に生きなければならない。
前著並みの水準を期待したのだが・・・
(2008-10-30)
世代間格差是正の主張には強く同意するが、「平成的価値観」はやや理想論に過ぎまいか。
著者の説くところの20〜30代正社員と非正社員の共闘にしても、
結局は両者の不均衡のみを均す(言わば両者のゼロ・サム・ゲーム)のみにとどまる
(世代間格差は解消されない)よう、現在の既得権者は狡猾に仕向けてくるだろう。
そもそも正社員と非正社員の責任の違いや、
そこに至るまでに費やした努力を捨象して両者の格差をなくせという主張には無理がある。
また社民党(旧社会党)・共産党批判は至当であるが、
現在甘い汁を吸っている既得権者と結託しているのは現政権与党である
という点が閑却されていては何の問題解決にもつながりはしまい。
前著が良かっただけに肩透かしである。
若者よわがままに、そして主張せよ
(2008-10-29)
若者はなぜ3年で辞めるのか?の続編
読んでいて思ったのは基本的に考え方は大竹文雄氏の「格差と希望」の論調であり、それを過激に若者社会に向かって綴っている。
昭和的価値観と平成的価値観のぶつかり合い。そして既得権益者としての老人と団塊の世代、彼らの絶対的な存在感はもはや右と左といったイデオロギーを超えた障壁であり、若者の夢も希望も確実に大型戦車で踏み潰している様に見える。
労働組合は正規社員の給与維持だけを目指し、そのために新規正社員の数は減り、派遣社員や非正規社員との格差は開いていてく、そしてその格差は技能の差ではなく単なる正か非と言うだけの括りなのだ。
こんな会社と言う制度を補償する国家に対する不満がいわゆるロストジェネレーション世代に蔓延するのは至極当たり前なのである。
著者はひとつの解決策として1982年のオランダにおけるワッセナー合意を示している。これは正規と非正規との格差解消のため政府、労組、経営者との合意に基づくものだそうだ。そして現在オランダでは正規と非正規の格差はほぼ完全に消滅したと言う。そして筆者は言う、年功序列のシステムは実は一つの致命的な矛盾を含んでいる。それは「若者の権利を否定する一方で、その若者の力無しには生き延びれない」と。
若者達は我がままに、もっと主張すべきなのである。現在の老人や団塊の世代のために年金を払うのならば、それ相当の自由と給料が無ければならないのだ。
一つだけ指摘しておきたいのは、本書はあくまで日本の市場経済システムの話であり、サラリーマンと言う会社制度での話しなのだ。農業や漁業と言った能力や技の裏打ちが大きい職業とは少し文脈が違う。
“昭和的価値観” v.s. “平成的価値観”
(2008-10-28)
昭和的価値観を徹底的に叩きのめす、痛快な一冊。叩きのめされる昭和的価値観の一覧が、本書目次に全て載せてあります。この目次を眺めて考えを巡らせるだけでも、十分に本書を手元に置く意味があります。
読んでもらうと分かるのですが、それぞれの昭和的価値観に対する批判、および対抗策(平成的価値観)は様々です。そのため、本書では様々なモデルケースを紹介しながら、様々な角度から 昭和的価値観→平成的価値観の流れを提案しています。各モデルケースはあまり一般的なものではなく、昭和的価値観のもとで判断するならば、所詮はアウトサイダーたちによるモデルマイノリティの議論をしている、と批判されかねないでしょう。
しかし、実はこのアウトサイダーの集合こそが、平成的価値観の本質であることに我々は気づかなければいけません。
ここが本書の最も重要な点です。すなわち、様々な昭和的価値観を崩していくために著者が提案している様々な方法は、最終的には次の一言に尽きるのです。
それは、「多様化」 です。
年功序列という画一化されたレールに乗り、国民全員が共有する均一の価値観に従って生きる、そんな時代はもう終わりました。いや、終わらせないといけません。各自が新しい価値観を生み出し、それぞれの価値観に従って生きていく日本を作らなければ、もはや若者に未来はないのですから。
新しいものを生み出すために、まずは現状をしっかり把握するところから始めましょう。本書は、現状の “昭和的価値観” をまとめるのに最適の一冊です。
おすすめ度:
「若者は為されるがままでいるな。わがままになれ」
タイトルにもつけましたが、この本の一番に言いたい事は
「日本は若者の権利を否定する一方で、若者なしではやっていけない」
「労働者が適正な報酬を得られるシステムが必要」
「若者はわがままになれ」
だと思う。
多くのアウトサイダーの事例から、
現代日本の雇用・仕事について考察した本です。
終身雇用崩壊、
社会党・共産党の保守化、
若者の意識の変化、
日本の仕事観の特殊さ
世代間格差
など、多くの示唆に富む考察が展開されています。
現代日本の仕事を取り巻く多くの問題に気づきました。
もちろん各事例の話も興味深いです。
特に東大卒のお坊さんの話は面白かった。
仕事やそれを取り巻く環境に違和感を感じている人にオススメです。
多様性という平成的価値観
終身雇用は既に崩壊した。
大企業に就職すれば一生安泰という考え方はもはや通用しない。
時代は大きく変わった。中高年層は遺産を活かして逃げ切ればよいが、これから社会に参入していく若者たちはどのように生きていけばよいのか。
本書ではしたたかに生きる若者たちが紹介されている。
本書を読んで思ったのは時代の変化に最も対応し切れていないのは従来型の企業であるということだ。つまりは中高年層、それもエリート中高年層の思考が強く反映される組織こそが旧来の価値観にしがみつき、新しい時代の若者の中でも優秀な層に見放されつつあるという事実だ。「最近の若者はバカになった」のではなく「バカな若者にしか相手にされなくなった」という視点の変換は強烈な印象を与える。
しかし、考えてみると大企業の終身雇用といっても出世競争に敗れれば出向もある、そもそも中小企業では終身雇用というもの自体が保証されていなかった。昔から職に定着しない若者はいたし、芸術や文学といった夢を求めて定職に就かずに自分の道に邁進する若者もいた。勿論、海外に活躍の場を求めて日本を出た若者もいた。現在、盛んに言われるような新しい若者は庄和の時代にも存在はしたのである。平成になって数が増えたのは事実だろうが平成になって新しく登場した人々というわけではないだろう。
大きな変化は画一性の昭和から多様性の平成へという時代の変化である。
高度成長期を過ぎ、同じ価値観で人々が生きる時代は終わった。これからはそれぞれがそれぞれの価値観で生き、共生する時代である。自分で道を切り開いていかなければならないため、おそらく多くの人間にとって平成は昭和ほど生きやすい時代ではないように思う。格差も拡大して行くであろう。それでも自分が自分らしくいきることのできる時代は幸福な時代ではないだろうか。我々は昭和の夢にまどろむのではなく、平成の現在に生きなければならない。
前著並みの水準を期待したのだが・・・
世代間格差是正の主張には強く同意するが、「平成的価値観」はやや理想論に過ぎまいか。
著者の説くところの20〜30代正社員と非正社員の共闘にしても、
結局は両者の不均衡のみを均す(言わば両者のゼロ・サム・ゲーム)のみにとどまる
(世代間格差は解消されない)よう、現在の既得権者は狡猾に仕向けてくるだろう。
そもそも正社員と非正社員の責任の違いや、
そこに至るまでに費やした努力を捨象して両者の格差をなくせという主張には無理がある。
また社民党(旧社会党)・共産党批判は至当であるが、
現在甘い汁を吸っている既得権者と結託しているのは現政権与党である
という点が閑却されていては何の問題解決にもつながりはしまい。
前著が良かっただけに肩透かしである。
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読んでいて思ったのは基本的に考え方は大竹文雄氏の「格差と希望」の論調であり、それを過激に若者社会に向かって綴っている。
昭和的価値観と平成的価値観のぶつかり合い。そして既得権益者としての老人と団塊の世代、彼らの絶対的な存在感はもはや右と左といったイデオロギーを超えた障壁であり、若者の夢も希望も確実に大型戦車で踏み潰している様に見える。
労働組合は正規社員の給与維持だけを目指し、そのために新規正社員の数は減り、派遣社員や非正規社員との格差は開いていてく、そしてその格差は技能の差ではなく単なる正か非と言うだけの括りなのだ。
こんな会社と言う制度を補償する国家に対する不満がいわゆるロストジェネレーション世代に蔓延するのは至極当たり前なのである。
著者はひとつの解決策として1982年のオランダにおけるワッセナー合意を示している。これは正規と非正規との格差解消のため政府、労組、経営者との合意に基づくものだそうだ。そして現在オランダでは正規と非正規の格差はほぼ完全に消滅したと言う。そして筆者は言う、年功序列のシステムは実は一つの致命的な矛盾を含んでいる。それは「若者の権利を否定する一方で、その若者の力無しには生き延びれない」と。
若者達は我がままに、もっと主張すべきなのである。現在の老人や団塊の世代のために年金を払うのならば、それ相当の自由と給料が無ければならないのだ。
一つだけ指摘しておきたいのは、本書はあくまで日本の市場経済システムの話であり、サラリーマンと言う会社制度での話しなのだ。農業や漁業と言った能力や技の裏打ちが大きい職業とは少し文脈が違う。
“昭和的価値観” v.s. “平成的価値観”
昭和的価値観を徹底的に叩きのめす、痛快な一冊。叩きのめされる昭和的価値観の一覧が、本書目次に全て載せてあります。この目次を眺めて考えを巡らせるだけでも、十分に本書を手元に置く意味があります。
読んでもらうと分かるのですが、それぞれの昭和的価値観に対する批判、および対抗策(平成的価値観)は様々です。そのため、本書では様々なモデルケースを紹介しながら、様々な角度から 昭和的価値観→平成的価値観の流れを提案しています。各モデルケースはあまり一般的なものではなく、昭和的価値観のもとで判断するならば、所詮はアウトサイダーたちによるモデルマイノリティの議論をしている、と批判されかねないでしょう。
しかし、実はこのアウトサイダーの集合こそが、平成的価値観の本質であることに我々は気づかなければいけません。
ここが本書の最も重要な点です。すなわち、様々な昭和的価値観を崩していくために著者が提案している様々な方法は、最終的には次の一言に尽きるのです。
それは、「多様化」 です。
年功序列という画一化されたレールに乗り、国民全員が共有する均一の価値観に従って生きる、そんな時代はもう終わりました。いや、終わらせないといけません。各自が新しい価値観を生み出し、それぞれの価値観に従って生きていく日本を作らなければ、もはや若者に未来はないのですから。
新しいものを生み出すために、まずは現状をしっかり把握するところから始めましょう。本書は、現状の “昭和的価値観” をまとめるのに最適の一冊です。

