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アイテム詳細
カスタマーレビュー
おすすめ度:
心に染みる一冊
(2007-11-22)
今からそう昔でもない、といって今ほど電灯などが普及していなかった時代。あまり売れてはいないが、もの書きの綿貫征四郎は、亡くなった友人の親に頼まれ、家の守りをするために庭つき池つき電燈つきの二階家へ移り住む。そこで出会う、掛け軸からボートに乗って現れる友人の幽霊、河童、人魚など様々な怪異。これらに驚くでもなく怖がるでもなく、日常に普通に起こることのように付き合っていく綿貫征四郎。
短編というよりはショートショートといった分量の二十八編が納められた物語集。
一編一編はとても短いのですが、そこから立ち上ってくる雰囲気、情感、懐かしさ、繊細な優しさといったら!著者の美しい文章の力にただただ圧倒されてしまいます。
何度も何度も繰り返し読み返したくなるような心に染み入る一冊です。
異界との接点
(2007-11-17)
物語の舞台は、19世紀末の日本。
亡き友の実家に「家守(いえもり)」として
暮らす事になった主人公・綿貫征四郎。
四季折々の植物の名を冠した28の短編に、
他界した筈の友人・高堂をはじめ
木霊、河童、人魚、鬼、狸、獺などの
異界の住人たちが続々と姿を現しては、
主人公を未知の世界へと誘う。
文明の発達に伴い、こういった事象が
この国の片隅に追いやられている事を残念に思う。
更に 綿貫と高堂は、出版社の垣根さえも越え
角川文庫「村田エフェンディ滞土録」の
最終章に ゲスト出演を果たしている。
新潮文庫のパンダ=Yonda?君が表紙の雑誌「yom yom」に
時折 続編が掲載されているので そちらも要チェック☆
心に根付く
(2007-11-17)
ハードカバーも持っていますが、文庫版も迷わず購入です。
随処に見られる美しい日本語、日本の原風景。ノスタルジックな描写に酔いしれます。
不思議を、非日常を、すんなり生活の一部として納得するおおらかさ。
そして桃源郷に住まうことを、「私の精神を養わない」と拒絶しながらも、決して否定せず住人たちをいたわる繊細さ。珠玉の物語です。
読み応えあり
(2007-08-17)
個人的にはすごく面白かったです。大好きな本の一つになりました。古き良き日本の情緒を感じさせる単語や表現、季節感、当時の生活感、人々の知恵、そしてちょっとした「怪談」的な要素(怖いのではなく、不思議な生き物や出来事が淡々と普通の日常に織り込まれているところが最高)など、心にやすりをかけてくれるような作品でした。そして、文体や発想だけではなく、主人公の志の良さに感動します。最後の方で決め台詞のようなものがあるのですが、胸を打たれました。いい本だと思います。
日本むかし譚
(2007-05-24)
“ハリーポッター”や“指環物語”にそこまで入り込めない私は、ファンタジーが苦手
なんだと思っていた。しかし、それは背景のちがいなんだとわかった。
本書に登場する日本のファンタジーになら容易く馴染めたからだ。
掛け軸を媒介にあの世とこの世を行ったり来たりする亡き友を筆頭に、人間に恋心を抱く
サルスベリやら、徳の高い犬、河童など、本書には不思議な生き物がたくさん登場する。
アメリカでヒットするホラー映画を観ても全然怖くないが、日本の怪談に背筋が寒くなったり
五感には風土と切っても切れぬ深い関わりがあるのだと実感する。
それは百年昔の物語であっても何ら変わるところはないのだと思う。
−最近筆が進まなかった。執筆にはペンとインキを用いているのに筆が進まないとは。
しかし、ペンが進まないと云うより、筆が進まないと云う方が、精神の在り方に即している
ような気がする。(中略)文明の進歩は、瞬時、と見まごうほど迅速に起きるが、
実際我々の精神は深いところでそれに付いていってはおらぬのではないか。−
とは、日本人の根幹をなす部分をズバリ言い当てられたようで、ストンと胸に落ちた。
『村田エフェンディ滞土録』とシンクロしているところも楽しい。
おすすめ度:
心に染みる一冊
今からそう昔でもない、といって今ほど電灯などが普及していなかった時代。あまり売れてはいないが、もの書きの綿貫征四郎は、亡くなった友人の親に頼まれ、家の守りをするために庭つき池つき電燈つきの二階家へ移り住む。そこで出会う、掛け軸からボートに乗って現れる友人の幽霊、河童、人魚など様々な怪異。これらに驚くでもなく怖がるでもなく、日常に普通に起こることのように付き合っていく綿貫征四郎。
短編というよりはショートショートといった分量の二十八編が納められた物語集。
一編一編はとても短いのですが、そこから立ち上ってくる雰囲気、情感、懐かしさ、繊細な優しさといったら!著者の美しい文章の力にただただ圧倒されてしまいます。
何度も何度も繰り返し読み返したくなるような心に染み入る一冊です。
異界との接点
物語の舞台は、19世紀末の日本。
亡き友の実家に「家守(いえもり)」として
暮らす事になった主人公・綿貫征四郎。
四季折々の植物の名を冠した28の短編に、
他界した筈の友人・高堂をはじめ
木霊、河童、人魚、鬼、狸、獺などの
異界の住人たちが続々と姿を現しては、
主人公を未知の世界へと誘う。
文明の発達に伴い、こういった事象が
この国の片隅に追いやられている事を残念に思う。
更に 綿貫と高堂は、出版社の垣根さえも越え
角川文庫「村田エフェンディ滞土録」の
最終章に ゲスト出演を果たしている。
新潮文庫のパンダ=Yonda?君が表紙の雑誌「yom yom」に
時折 続編が掲載されているので そちらも要チェック☆
心に根付く
ハードカバーも持っていますが、文庫版も迷わず購入です。
随処に見られる美しい日本語、日本の原風景。ノスタルジックな描写に酔いしれます。
不思議を、非日常を、すんなり生活の一部として納得するおおらかさ。
そして桃源郷に住まうことを、「私の精神を養わない」と拒絶しながらも、決して否定せず住人たちをいたわる繊細さ。珠玉の物語です。
読み応えあり
個人的にはすごく面白かったです。大好きな本の一つになりました。古き良き日本の情緒を感じさせる単語や表現、季節感、当時の生活感、人々の知恵、そしてちょっとした「怪談」的な要素(怖いのではなく、不思議な生き物や出来事が淡々と普通の日常に織り込まれているところが最高)など、心にやすりをかけてくれるような作品でした。そして、文体や発想だけではなく、主人公の志の良さに感動します。最後の方で決め台詞のようなものがあるのですが、胸を打たれました。いい本だと思います。
日本むかし譚
“ハリーポッター”や“指環物語”にそこまで入り込めない私は、ファンタジーが苦手
なんだと思っていた。しかし、それは背景のちがいなんだとわかった。
本書に登場する日本のファンタジーになら容易く馴染めたからだ。
掛け軸を媒介にあの世とこの世を行ったり来たりする亡き友を筆頭に、人間に恋心を抱く
サルスベリやら、徳の高い犬、河童など、本書には不思議な生き物がたくさん登場する。
アメリカでヒットするホラー映画を観ても全然怖くないが、日本の怪談に背筋が寒くなったり
五感には風土と切っても切れぬ深い関わりがあるのだと実感する。
それは百年昔の物語であっても何ら変わるところはないのだと思う。
−最近筆が進まなかった。執筆にはペンとインキを用いているのに筆が進まないとは。
しかし、ペンが進まないと云うより、筆が進まないと云う方が、精神の在り方に即している
ような気がする。(中略)文明の進歩は、瞬時、と見まごうほど迅速に起きるが、
実際我々の精神は深いところでそれに付いていってはおらぬのではないか。−
とは、日本人の根幹をなす部分をズバリ言い当てられたようで、ストンと胸に落ちた。
『村田エフェンディ滞土録』とシンクロしているところも楽しい。

