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アイテム詳細
カスタマーレビュー
おすすめ度:
探究心の満たされぬ作品。読み手がそれをどう判断するか
(2008-11-27)
読書を習慣付けることも必要だと思いつつ、
あまり本を読まないわたしがある時近しい人間から
「東野圭吾作品がおもしろいよ」と聞き、
なんとはなしに書店に向かった時、気まぐれで購入したのがこれだった。
紹介者からお勧めのタイトルも聞いていたのだが、
それらは裏表紙の粗筋を見て好みでないものや、
続き物の一冊だったりしたので手を出しづらく
他に何かないかと見た時、どうやらこの白夜行が
氏の代表作とも言えるような著書だったようなので意思を固めた。
発端はある殺人事件。
その事件を調査する刑事の視点から物語は幕を開けた。
読者はその事件の真相を知り得るため、文章に目を走らせる。
ところが、その真相はわからぬまま次々と新たな風呂敷が広げられては
謎が深まり、謎が解けてゆく。まさにミステリの醍醐味。
なるほどページをめくる手が止まらないという謳い文句も頷けた。
しかし読み進むにつれ、散りばめられたヒントから
事件の真相が読めてくるようになる。
それでもなおページをめくりたいのは、真相の根拠つまり事件の裏、
ひいてはこの850ページに及ぶストーリーの大元を知りたいがためなのに、
ついにその欲求は解消されぬまま物語は終了する。
このエンディングで良いのか悪いのか、
そこがこの作品を語る上で最も重要なことなのだろうと思う。
確かに、数多くの物語を読んでいる人間にはこういうエンディングもアリだろう。
物語とは結果より過程を楽しむものだと言うのは大いに賛同できる。
しかし、これを機に読書の習慣をつけようかと思っているような人間には
ヘビーなエンディングだったと言わざるを得ない。
このもやもやを自己完結できるほど、小説を読むことに慣れていないのだ。
終わりよければすべてよし、そういう小説の方がわかりやすくて良い。
そういう意味で、この厚さも相まってあまり本を読まない人には
オススメできない作品である気がする。
紹介者が白夜行を挙げなかったのはそのせいなのかもしれない。
余談。
低評価をつけているレビュアーの意見の支持率は低いようだが、
あんまりにも極端な物言いはともかくとして、
わたしの主観としてはやはりそれはそれで的を射ているように思える。
消化不良が残る作品
(2008-11-24)
周りの視点で主人公二人を語らせるという手法は今までもあったが、ストーリーに綺麗に合致して、視点が変わっても読みやすいものであった。構成もまたよく練られていたかと思う。だがどこまで行っても消化不良が残った。
言ってしまえば丁寧さが欠けているのだ。小説というのは本筋から少し離れたところをおざなりにしないことで、深みをつけているのだと思う。その点で白夜行は細部が少々適当に感じられた。ほんの僅かに気になる点がちょこちょこあるもののそれは最後まで解消されることはないということも多い。伏線が消化されるカタルシスを期待していただけに最後を読んだときの肩透かしは大きかった。
作者が見せたい部分だけはきちんと描かれているとは思うが、それ以外がおざなりになっているのだ。そしてその本筋を大事にするために多少強引とも思える部分が少々あったと感じた。作者と同じ感性と価値観を持つ人ならば、全く気にならないのだろうと思う。しかし私は細部の取りこぼしが気になって本筋に感情移入できなかった。そこさえきちんとしてくれれば★4つというところだったので残念であった。
面白い
(2008-11-02)
悲惨なストーリー、主人公の心情描写のなさ、登場人物の多さ、最悪のラスト、などかなり読みずらいはずの小説。けどちゃんと面白かったってことがこの小説の凄さだと思います。なかでも主人公雪穂と亮司が絡んでる場面がなく、心情描写もない、やはりこれがこの小説の面白ろさです。小説ならではじゃないですか。自分で想像するから、出来るから面白いのです。めちゃめちゃ想像しやすく書いてくれてます。僕はラストを読み終えて解釈したことは、雪穂は亮司でさえもただ利用してただけやったんか、でした。そう解釈したらゾクゾクしてきて寒気がして、怖くて布団から出れなくなりました。やばいこの女ほんまに怖すぎる…って。
僕はこの東野圭吾って人を物を作る人として大好きになりました。 雪穂はどこまでもとんでもない女であって欲しい。 だって作り話やねんから。そっちの方が絶対面白いでしょ。
R&Yの世にも奇妙なラブ・ストーリー
(2008-10-26)
本作は全13章、854頁の中に、
ある一組の男女の19年にわたる切ないラブ・ストーリーを描くものです。
もっとも、悪と企みに満ちた、決して心地よいとは言えない作品でもあります。
1973年の大阪、ある殺人事件の周辺に確かに存在していた少年と少女。
その内面を推し量ることは出来ない(一貫して二人の心理は描写されない)が、
子供とは思えない暗さや近寄りがたさを宿している。
結局、当の殺人事件が迷宮入りするのと入れ替わりに、
少年亮司と少女雪穂の、一見交わることがないようでいて、
どことなくつながりがあるような、謎めいた人生が描かれていく。
亮司はトラブルと隣り合わせの危うい人生を綱渡りのように歩み、
雪穂は超然とした雰囲気をたたえながら、野心を胸に力強く突き進み、
その障壁となる人物は、なぜか忌まわしい制裁を受けることとなる…。
そして、1973年の事件へのこだわりを捨て切れなかった老刑事が現れる時、
隠されていた恐るべき真実に光が当たる…。
本作は、そのボリュームにもかかわらず、
「真実」を知りたくてどんどん読み進められます。
主人公二人の心理描写が一切なされないという手法も、
読者に自由な想像を許すと同時に、
主人公の抱える闇の深さや切なさを推察させ、優れていると考えます。
ただし、気になった点が一つだけ。
このような「真実」に苦しみながらも、
なお、心を失わずに人生を歩まれている方が大勢おられると思います。
特に、雪穂はあくまで特殊な人間なのだと思わないとやりきれない感があります。
あと、蛇足ですが、いくつも伏線が張られているので、
気になった場面には付箋などで目印をされることをお奨めします。
悲しい純愛
(2008-10-15)
一人の愛する人を守るため、幸せにするために
自分の人生をささげた男の子と、その愛に精一杯応えて
昇りつめていく女の子の物語。残酷で、悲しくてやりきれないけど
読み終えた後は、何かが心に残りました。
この二人がこんなに悲しい人生を送るはめになってしまったのは
一言で言えば、子供の純粋な魂を汚してしまった
自分勝手な大人たちのせいです。
東野さんの作品の中で、一番好きな作品。
続編の幻夜も、読むことをお勧めします。
おすすめ度:
探究心の満たされぬ作品。読み手がそれをどう判断するか
読書を習慣付けることも必要だと思いつつ、
あまり本を読まないわたしがある時近しい人間から
「東野圭吾作品がおもしろいよ」と聞き、
なんとはなしに書店に向かった時、気まぐれで購入したのがこれだった。
紹介者からお勧めのタイトルも聞いていたのだが、
それらは裏表紙の粗筋を見て好みでないものや、
続き物の一冊だったりしたので手を出しづらく
他に何かないかと見た時、どうやらこの白夜行が
氏の代表作とも言えるような著書だったようなので意思を固めた。
発端はある殺人事件。
その事件を調査する刑事の視点から物語は幕を開けた。
読者はその事件の真相を知り得るため、文章に目を走らせる。
ところが、その真相はわからぬまま次々と新たな風呂敷が広げられては
謎が深まり、謎が解けてゆく。まさにミステリの醍醐味。
なるほどページをめくる手が止まらないという謳い文句も頷けた。
しかし読み進むにつれ、散りばめられたヒントから
事件の真相が読めてくるようになる。
それでもなおページをめくりたいのは、真相の根拠つまり事件の裏、
ひいてはこの850ページに及ぶストーリーの大元を知りたいがためなのに、
ついにその欲求は解消されぬまま物語は終了する。
このエンディングで良いのか悪いのか、
そこがこの作品を語る上で最も重要なことなのだろうと思う。
確かに、数多くの物語を読んでいる人間にはこういうエンディングもアリだろう。
物語とは結果より過程を楽しむものだと言うのは大いに賛同できる。
しかし、これを機に読書の習慣をつけようかと思っているような人間には
ヘビーなエンディングだったと言わざるを得ない。
このもやもやを自己完結できるほど、小説を読むことに慣れていないのだ。
終わりよければすべてよし、そういう小説の方がわかりやすくて良い。
そういう意味で、この厚さも相まってあまり本を読まない人には
オススメできない作品である気がする。
紹介者が白夜行を挙げなかったのはそのせいなのかもしれない。
余談。
低評価をつけているレビュアーの意見の支持率は低いようだが、
あんまりにも極端な物言いはともかくとして、
わたしの主観としてはやはりそれはそれで的を射ているように思える。
消化不良が残る作品
周りの視点で主人公二人を語らせるという手法は今までもあったが、ストーリーに綺麗に合致して、視点が変わっても読みやすいものであった。構成もまたよく練られていたかと思う。だがどこまで行っても消化不良が残った。
言ってしまえば丁寧さが欠けているのだ。小説というのは本筋から少し離れたところをおざなりにしないことで、深みをつけているのだと思う。その点で白夜行は細部が少々適当に感じられた。ほんの僅かに気になる点がちょこちょこあるもののそれは最後まで解消されることはないということも多い。伏線が消化されるカタルシスを期待していただけに最後を読んだときの肩透かしは大きかった。
作者が見せたい部分だけはきちんと描かれているとは思うが、それ以外がおざなりになっているのだ。そしてその本筋を大事にするために多少強引とも思える部分が少々あったと感じた。作者と同じ感性と価値観を持つ人ならば、全く気にならないのだろうと思う。しかし私は細部の取りこぼしが気になって本筋に感情移入できなかった。そこさえきちんとしてくれれば★4つというところだったので残念であった。
面白い
悲惨なストーリー、主人公の心情描写のなさ、登場人物の多さ、最悪のラスト、などかなり読みずらいはずの小説。けどちゃんと面白かったってことがこの小説の凄さだと思います。なかでも主人公雪穂と亮司が絡んでる場面がなく、心情描写もない、やはりこれがこの小説の面白ろさです。小説ならではじゃないですか。自分で想像するから、出来るから面白いのです。めちゃめちゃ想像しやすく書いてくれてます。僕はラストを読み終えて解釈したことは、雪穂は亮司でさえもただ利用してただけやったんか、でした。そう解釈したらゾクゾクしてきて寒気がして、怖くて布団から出れなくなりました。やばいこの女ほんまに怖すぎる…って。
僕はこの東野圭吾って人を物を作る人として大好きになりました。 雪穂はどこまでもとんでもない女であって欲しい。 だって作り話やねんから。そっちの方が絶対面白いでしょ。
R&Yの世にも奇妙なラブ・ストーリー
本作は全13章、854頁の中に、
ある一組の男女の19年にわたる切ないラブ・ストーリーを描くものです。
もっとも、悪と企みに満ちた、決して心地よいとは言えない作品でもあります。
1973年の大阪、ある殺人事件の周辺に確かに存在していた少年と少女。
その内面を推し量ることは出来ない(一貫して二人の心理は描写されない)が、
子供とは思えない暗さや近寄りがたさを宿している。
結局、当の殺人事件が迷宮入りするのと入れ替わりに、
少年亮司と少女雪穂の、一見交わることがないようでいて、
どことなくつながりがあるような、謎めいた人生が描かれていく。
亮司はトラブルと隣り合わせの危うい人生を綱渡りのように歩み、
雪穂は超然とした雰囲気をたたえながら、野心を胸に力強く突き進み、
その障壁となる人物は、なぜか忌まわしい制裁を受けることとなる…。
そして、1973年の事件へのこだわりを捨て切れなかった老刑事が現れる時、
隠されていた恐るべき真実に光が当たる…。
本作は、そのボリュームにもかかわらず、
「真実」を知りたくてどんどん読み進められます。
主人公二人の心理描写が一切なされないという手法も、
読者に自由な想像を許すと同時に、
主人公の抱える闇の深さや切なさを推察させ、優れていると考えます。
ただし、気になった点が一つだけ。
このような「真実」に苦しみながらも、
なお、心を失わずに人生を歩まれている方が大勢おられると思います。
特に、雪穂はあくまで特殊な人間なのだと思わないとやりきれない感があります。
あと、蛇足ですが、いくつも伏線が張られているので、
気になった場面には付箋などで目印をされることをお奨めします。
悲しい純愛
一人の愛する人を守るため、幸せにするために
自分の人生をささげた男の子と、その愛に精一杯応えて
昇りつめていく女の子の物語。残酷で、悲しくてやりきれないけど
読み終えた後は、何かが心に残りました。
この二人がこんなに悲しい人生を送るはめになってしまったのは
一言で言えば、子供の純粋な魂を汚してしまった
自分勝手な大人たちのせいです。
東野さんの作品の中で、一番好きな作品。
続編の幻夜も、読むことをお勧めします。

