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カスタマーレビュー
おすすめ度:
今だからわかる
(2006-09-26)
大学2年の時にこの本を一通り眺めて、なんだか最先端の思想に触れている気になっていい気持ちになって、でも心のどこかでちゃんと理解できてないんじゃないかというルサンチマンがくすぶっていて、20年の時を経て吉本隆明と糸井重里の対談の「悪人正機」で吉本隆明がこの本を再評価しているのを見て、「もう一度取り組んでみよう」と思い、「アースダイバー」と同時に発注したが、「アースダイバー」は読めてもこちらの本は構えてしまってきょうまでかかってしまった。
今回読んでみて、20年前よりも理解できたように思った。無論、本の内容を自分の言葉で説明しろ、と言われたら多分5分の1ほどしか説明できないだろう。あとの5分の4は解った気にはなったが、結局はさらさらと指の間から砂がこぼれ落ちるように僕をすり抜けてしまった。
吉本隆明はこの本を再読して「精神(心)の考古学」だと評した。ヘーゲル的な西洋中心的社会進化論的文明・文化観の底の浅さを突き抜けて、もっと大きな括りでの太古を探る知的営みなのだ。「はじめに言葉(ロゴス)ありき」のその前の、言葉が生成されて精神も時間も空間も分節される前の、いわば夜明け前の曙光の予感を感じる「時」を心で体感して生まれたのがこの本だろう。だから、この本で使われる言葉はイメージ喚起的な言葉ばかりなのだ。元々言葉では表現しようのないこと、それこそ太古の人間の精神をそのまま継承しているかもしれないチベットの行者に弟子入りして体感しなければ理解できないことを言葉で表現しようというのだから、並の言葉使いではダメだ。
その面で中沢新一の言葉使いはすごい。なんとなく理解できる気がする。言葉を通じて体感できる気がする。
リアリティとマーヤ
(2006-05-14)
この文庫版の21ページから26ページまでに中沢氏のフィールドワークでの体験を基にした文章がまとめられています。
この文章にはリアリティとマーヤに関するラマ僧との会話が本書の中で最も注目すべきところです。
まずこの章の意義をつかむことを中心にしたほうがいいでしょう。
体験的密教論
(2003-05-26)
著者は日本人で始めてチベット密教ニンマ派の教義を一通り体験した。そこで見たものは、フランス現代思想と密接に繋がる極めて現代的な課題であった。これが主要な内容だ。読めばわかる。但し中沢の読者は頭が弱いバカが多く、それ以上発展しないのが特徴だ。
詩のような文です
(2002-10-25)
この方の文章はとても専門的で難しいと感じることもありますが、
この本は最初の数行を読んだだけでトリップできます。
題名を聞いただけでまだ聞いたことのないホーミーの音色が
聞こえてくるようです。
「中沢新一さんは素敵だけど文章の意味がわからないわ」
といって敬遠されている人も一度手にとってみてください。
中沢新一代表作の一冊!!
(2001-11-06)
80年代初頭の『現代思想』誌には二人の若い学者が
競い合うようによく投稿し、いずれも視線が新鮮で、読者
に非常に人気があったために、よく掲載されていた。
その一人が当時東京外語大の山口昌男の下で助手を務めて
いた中沢新一であり、もう一人は京大の佐和隆光の下で
助手を務めていた浅田彰であった。
おすすめ度:
今だからわかる
大学2年の時にこの本を一通り眺めて、なんだか最先端の思想に触れている気になっていい気持ちになって、でも心のどこかでちゃんと理解できてないんじゃないかというルサンチマンがくすぶっていて、20年の時を経て吉本隆明と糸井重里の対談の「悪人正機」で吉本隆明がこの本を再評価しているのを見て、「もう一度取り組んでみよう」と思い、「アースダイバー」と同時に発注したが、「アースダイバー」は読めてもこちらの本は構えてしまってきょうまでかかってしまった。
今回読んでみて、20年前よりも理解できたように思った。無論、本の内容を自分の言葉で説明しろ、と言われたら多分5分の1ほどしか説明できないだろう。あとの5分の4は解った気にはなったが、結局はさらさらと指の間から砂がこぼれ落ちるように僕をすり抜けてしまった。
吉本隆明はこの本を再読して「精神(心)の考古学」だと評した。ヘーゲル的な西洋中心的社会進化論的文明・文化観の底の浅さを突き抜けて、もっと大きな括りでの太古を探る知的営みなのだ。「はじめに言葉(ロゴス)ありき」のその前の、言葉が生成されて精神も時間も空間も分節される前の、いわば夜明け前の曙光の予感を感じる「時」を心で体感して生まれたのがこの本だろう。だから、この本で使われる言葉はイメージ喚起的な言葉ばかりなのだ。元々言葉では表現しようのないこと、それこそ太古の人間の精神をそのまま継承しているかもしれないチベットの行者に弟子入りして体感しなければ理解できないことを言葉で表現しようというのだから、並の言葉使いではダメだ。
その面で中沢新一の言葉使いはすごい。なんとなく理解できる気がする。言葉を通じて体感できる気がする。
リアリティとマーヤ
この文庫版の21ページから26ページまでに中沢氏のフィールドワークでの体験を基にした文章がまとめられています。
この文章にはリアリティとマーヤに関するラマ僧との会話が本書の中で最も注目すべきところです。
まずこの章の意義をつかむことを中心にしたほうがいいでしょう。
体験的密教論
著者は日本人で始めてチベット密教ニンマ派の教義を一通り体験した。そこで見たものは、フランス現代思想と密接に繋がる極めて現代的な課題であった。これが主要な内容だ。読めばわかる。但し中沢の読者は頭が弱いバカが多く、それ以上発展しないのが特徴だ。
吉本隆明解説によると、歴史以前の精神のありかたを内在的に捉えようとして中沢はチベット密教をやり続けていることになる。だが「やればわかる」世界を、言葉で表現したものを読む側がどう捉えるのか。実際に密教に走るのではなく一読者として中沢を内在的に読み込める者がいるかどうかは疑問だ。私の知る限り一人もいない。
先のチベットのモーツアルト解説からは、原型の表象の一つのあり方としてのチベット密教の身体論に触れているが、逆に最後の親鸞中沢解説には、どうも吉本の親鸞論そのものの図式、方法から原型を取り出して行こうとしているように見える。これはどう考えたら良いのであろうか。
詩のような文です
この方の文章はとても専門的で難しいと感じることもありますが、
この本は最初の数行を読んだだけでトリップできます。
題名を聞いただけでまだ聞いたことのないホーミーの音色が
聞こえてくるようです。
「中沢新一さんは素敵だけど文章の意味がわからないわ」
といって敬遠されている人も一度手にとってみてください。
詩のようにお経のようにあるいは美しい音楽のように
心に直接しみいってくる かもしれません。
野ウサギの走り 虹の理論 もおすすめです。
中沢新一代表作の一冊!!
80年代初頭の『現代思想』誌には二人の若い学者が
競い合うようによく投稿し、いずれも視線が新鮮で、読者
に非常に人気があったために、よく掲載されていた。
その一人が当時東京外語大の山口昌男の下で助手を務めて
いた中沢新一であり、もう一人は京大の佐和隆光の下で
助手を務めていた浅田彰であった。
それまでにも翻訳本を発表していた中沢だったが、彼独自
の論文集はこの本がはじめてだったので、実質的には
彼の処女作である。
前書きを数行だけでも一読すれば気がつくことだが、
その文体はとてもおしゃれで美文である。
誰もが簡単にまねできるような代物ではない。
この処女本ではチベット仏教や文化人類学などを中心に
独特な美文と独特な言い回しで論理を展開しているが、
その後の著作と比較するならば、まだまだ思考が若々し
くて未熟な部分も多々見受けられるが、十分秀才の域に
は達しているレベルである。
今もなお人気の高い中沢新一の思考と文体を知る上では
格好の入門書であることに変わりはない名著である。

