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アイテム詳細
世界の大学危機―新しい大学像を求めて (中公新書)
日本の大学制度―歴史と展望―
フンボルト理念の終焉?―現代大学の新次元
大学はなぜ必要か
大学は生まれ変われるか―国際化する大学評価のなかで (中公新書)
おすすめ度:
大学改革なんて何も変わってないじゃん
第一章 伝統的カレッジの構造
第二章 早すぎた改革
第三章 改革への胎動
第四章 伝統的カレッジからの脱却
第五章 研究大学の登場
第六章 大学院大学の登場
第七章 アイデンティティの葛藤
うしおぎもりかずは1934年(神奈川県)生まれ。東大教育卒後,同大助手を経て学芸大専任講師。本書刊行当時は名大勤務(国際開発研究科教授)。『キャンパスの生態誌』など著書は多い。06年時点では桜美林大に天下っている。
本書目次でわかるように,本書はアメリカ大学制度の発展史。といっても,その殆んどはハーバードとイェールとジョンズホプキンスとシカゴ大に紙幅が費やされている。コロンビアとかMITとかコーネルとかスタンフォードとかブラウン大は完全な脇役。
本書には,昔から大学教授は研究をしなかったし,実学を疎んじながらも,その勢いには屈せざるを得なかった古典学の大学教員の教授会での奮闘振り(悪足掻き?)という側面と,学生たちはいかに監視の目を盗んで遊び呆けたかという側面と,大学側が社会からの支持を取り付けようと努力しているかという側面と,運営費の捻出にいかに苦労したかという側面が描かれている。
なんだ,大学改革なんて原理的には歴史貫通的で何も変わってないじゃん。という意味では面白かったです。(530字)
教育は国家百年の大計
アメリカの高等教育制度は、現在では世界最高であろう。何がその強度を維持しているのかを歴史的に説明してくれるのが、本書である。アメリカの高等教育制度が、変化するのは1876年にメリーランド州ボルティモアに創設されるジョンズ・ホプキンスを嚆矢とする研究大学の誕生に始まる。研究大学という表現が分かりにくければ大学院大学と言いかえられよう。ジョンズ・ホプキンスに続けて数多くの研究大学が開学する。共通するのはドイツの大学制度を導入した研究課程の充実が目標であり、ドイツ帰りやドイツ人教師が多く雇用されたのも特徴である。明治のお雇い外国人教師の状況に似ている。
記述は学生生活や大学文化の欧米の違いなどを具体的に記述されており、あたかも小説を読むように引き込まれてしまう。描写の具体性が、高等教育史というともすれば退屈な領域を知的な文化史に変化させているのは、ドイツの大学制度にも造詣の深い著者がなせる業であろう。本書を読んでアメリカ高等教育研究に入った研究者も多い。日本の大学を見直したい読者にはお勧めの一冊である。
アメリカの大学の意外な一面
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早急な改革の前に歴史を知ろう
わが国の大学にも改革の嵐が吹き荒れている。やれ、自己点検評価、やれ、国際競争力の向上、などなど。著者は大学制度史の専門家で、本書はアメリカの大学制度についての歴史的研究。当時のアメリカの大学が意外にもドイツの大学を一つのモデルとして構築されていたことがわかる。19世紀末のドイツの影響力はいまでは想像できないほどであったが、それは大学制度にまで及んでいた。現在でもしばしば問題になるさまざまな大学人のタイプが、すでに当時から存在していたことがわかって興味深い。研究型教師、人生派教師のほか、ショーマン教師、学外活動型教師など、思わず今の話かと思ってしまうほどのリアリティがある。大学改革を議論する前に是非読んでみたい一書。

