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アイテム詳細
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カスタマーレビュー
おすすめ度:
入滅:教えの変容が始まる瞬間
(2008-07-06)
ゴータマ入滅直前の伝承を表した「大パリニッバーナ」経の日本語訳。教団形成後に恣意的に付け加わったと思しき箇所もかなり多く、寄付された食事は独り占めするなという訳者曰く「下品」な説教(笑)とか、あれだけ否定していた土地寄進をすんなり受け入れる記述などが足されており、この経がまとめられた時点で既に相当の世俗化が教団に起きていたことが分かる。このような矛盾点は訳者の解説が一つ一つ詳しく説明してくれているので、批判的に仏典を読み込むことができるのが嬉しい。
特に、死亡直前に「自分の遺体にはかかずりあうな」とアーナンダに語った直後に、やたら詳しく遺体の埋葬法を繰り返す記述が加えられており、また結局はこの遺言に反して遺骨や歯を巡る対立が起こり、信者の間では収拾がつかず何とバラモン教の僧侶による仲裁によって8つに焼却後の遺体が分けられるくだりで話が終わるなど、その後の釈尊の神格化と仏教教義の変容を考える上で、非常に興味深い本である。人格・偶像崇拝ではなく「法への帰依」を説いたゴータマの教えと、聖体・偶像崇拝に走りたがる信者達の素朴な思いの擦れ違いは、彼の死後直後から始まっていたのだろう。
同じ岩波文庫「ブッダのことば スッタニパータ」の方が遥かにゴータマの肉声が伝わってくるので、そこが星ひとつ減点理由だが、このように彼の「智慧」を巡る悲劇に思いをはせずにはいられない一級資料ではある。
釈尊の最後の言葉
(2007-08-02)
釈尊の命を心配した弟子に対して、釈尊があの有名な回答をします。
自分自身を頼りにすること、法をたよりにすること、これが回答でした。
霊的な火が自分の中で燃えていることが、外のものを頼るよりも大切なことでしょう。
自分の中から普遍的な火の可能性を引き出すためには集中し、忍耐と努力を重ねて働かなければならないものでしょう。
言葉の端々に、こころを打つ言葉があります。
仏典としてまとめられたのは、かなり時間がたってからですが、それでもかなり元のことばが含まれていると感じます。
宗教としての仏教の研究用というよりも、釈尊の思想、精神にふれるための良書です。
また背景の情報を翻訳者が詳細につけてくれていますので参考になります。
根源的な仏教を覗く
(2007-01-16)
1999年に逝った著者は、文化勲章・勲一等瑞宝章受章の元東大教授の哲学者・仏教学者でSanskrit語に通じていた。日本を代表する哲学者の著作にコメントするのもおこがましいが、感想を述べる。
釈尊最後の布教旅行と説法、涅槃(死)と崇拝の有様を記録した、Sanskritの派生語Paali語で書かれた経典を、著者が翻訳した力作であり、本文の数倍の字数の注釈が付いている。おかげで我々が幸いにも日本語で読める貴重な文献である。
読んでどうなるか? 我々は大乗仏教に触れる機会は比較的あるが、大乗仏教が生まれる数百年前に、釈尊自身は何を説いていたのか、その最も根源的な仏教に触れることができる。詳細な注釈がそれを助けてくれる。
触れて何を感じたか? 小乗仏教に発展する要素も大乗仏教に展開される要素も内包した発展性のある簡潔な教義がそこにはあると感じた。
《清浄な罰》
(2004-02-12)
釈尊の死を軸に展開される本書。
究極の歓待
(2003-09-04)
ブッダは一体どのようにして死んだのか。それが本書で明らかになる。しかも、あまりにもリアルな筆致で。語られている事実はこうである。ブッダは、それを食べれば死ぬだろうと分かった上で、他の弟子たちの誰もそれを食べないように配慮し、一人の歓待者=鍛冶工の子チュンダの歓待を受けるために彼が用意したきのこ料理を食べた。ブッダは、自らの命と引き換えにチュンダを歓待したのだ。
こうしてブッダ最後の旅は、文字通りブッダの死へと至る旅=ブッダ最後の旅となった。
おすすめ度:
入滅:教えの変容が始まる瞬間
ゴータマ入滅直前の伝承を表した「大パリニッバーナ」経の日本語訳。教団形成後に恣意的に付け加わったと思しき箇所もかなり多く、寄付された食事は独り占めするなという訳者曰く「下品」な説教(笑)とか、あれだけ否定していた土地寄進をすんなり受け入れる記述などが足されており、この経がまとめられた時点で既に相当の世俗化が教団に起きていたことが分かる。このような矛盾点は訳者の解説が一つ一つ詳しく説明してくれているので、批判的に仏典を読み込むことができるのが嬉しい。
特に、死亡直前に「自分の遺体にはかかずりあうな」とアーナンダに語った直後に、やたら詳しく遺体の埋葬法を繰り返す記述が加えられており、また結局はこの遺言に反して遺骨や歯を巡る対立が起こり、信者の間では収拾がつかず何とバラモン教の僧侶による仲裁によって8つに焼却後の遺体が分けられるくだりで話が終わるなど、その後の釈尊の神格化と仏教教義の変容を考える上で、非常に興味深い本である。人格・偶像崇拝ではなく「法への帰依」を説いたゴータマの教えと、聖体・偶像崇拝に走りたがる信者達の素朴な思いの擦れ違いは、彼の死後直後から始まっていたのだろう。
同じ岩波文庫「ブッダのことば スッタニパータ」の方が遥かにゴータマの肉声が伝わってくるので、そこが星ひとつ減点理由だが、このように彼の「智慧」を巡る悲劇に思いをはせずにはいられない一級資料ではある。
釈尊の最後の言葉
釈尊の命を心配した弟子に対して、釈尊があの有名な回答をします。
自分自身を頼りにすること、法をたよりにすること、これが回答でした。
霊的な火が自分の中で燃えていることが、外のものを頼るよりも大切なことでしょう。
自分の中から普遍的な火の可能性を引き出すためには集中し、忍耐と努力を重ねて働かなければならないものでしょう。
言葉の端々に、こころを打つ言葉があります。
仏典としてまとめられたのは、かなり時間がたってからですが、それでもかなり元のことばが含まれていると感じます。
宗教としての仏教の研究用というよりも、釈尊の思想、精神にふれるための良書です。
また背景の情報を翻訳者が詳細につけてくれていますので参考になります。
根源的な仏教を覗く
1999年に逝った著者は、文化勲章・勲一等瑞宝章受章の元東大教授の哲学者・仏教学者でSanskrit語に通じていた。日本を代表する哲学者の著作にコメントするのもおこがましいが、感想を述べる。
釈尊最後の布教旅行と説法、涅槃(死)と崇拝の有様を記録した、Sanskritの派生語Paali語で書かれた経典を、著者が翻訳した力作であり、本文の数倍の字数の注釈が付いている。おかげで我々が幸いにも日本語で読める貴重な文献である。
読んでどうなるか? 我々は大乗仏教に触れる機会は比較的あるが、大乗仏教が生まれる数百年前に、釈尊自身は何を説いていたのか、その最も根源的な仏教に触れることができる。詳細な注釈がそれを助けてくれる。
触れて何を感じたか? 小乗仏教に発展する要素も大乗仏教に展開される要素も内包した発展性のある簡潔な教義がそこにはあると感じた。
《清浄な罰》
釈尊の死を軸に展開される本書。
利他、そして慈悲という言葉の凄みを再認識させられます。人を思いやることがどんなに美しい行為なのか…憎しみから憎しみしか生まれないように、慈しみから慈しみしか生まれないのでしょうね。この点において、おそらく、キリスト教的な「友の喜びを一緒に喜ぼう」という素晴らしい教えと似たものがあるかもしれません。本書は自分の信仰心などとは関係なく、ありのままの人間の理性(悟性)に基づいて読まれるべきでしょう。
究極の歓待
ブッダは一体どのようにして死んだのか。それが本書で明らかになる。しかも、あまりにもリアルな筆致で。語られている事実はこうである。ブッダは、それを食べれば死ぬだろうと分かった上で、他の弟子たちの誰もそれを食べないように配慮し、一人の歓待者=鍛冶工の子チュンダの歓待を受けるために彼が用意したきのこ料理を食べた。ブッダは、自らの命と引き換えにチュンダを歓待したのだ。
こうしてブッダ最後の旅は、文字通りブッダの死へと至る旅=ブッダ最後の旅となった。

